続落中のREIT指数 今年の銀行株の上昇に相反して、下げ幅を拡大してきたREIT指数。景気循環とは別に下げ止まらない状態が続いてきました。 UBSによるクレディ・スイスの買収案が官主導で決定した関係で、劣後債の一種である「AT1債」について、約160億スイスフラン(約2.2兆円)分の価値をゼロにすると発表しされました。AT1債は普通社債と比べて低いものの、株式よりは高いとされるものですから、債券投資家には大きな混乱が起きています。 よって短期〜長期の金利が上昇することがあれば、真っ先に投げ売りされるセクターはシクリカルバリューとなります。例えば3/17㈮の米国市場もSPY▲1.17%、IWM▲2.7%となっています。 昨年、優位性のあったバリューよりもグロースのパフォーマンスに着目される地合いになりつつあるのは、メガキャップのみに言えることだと思います。言い換えれば、日本にはメガキャップがないので短期アヤを取るのが一番だと思っています。 話を冒頭に戻して日本のREIT指数に連動するETF、野村の1343NFJ-REITのチャートを例に見ています。 世界の中央銀行は銀行破綻をきっかけに流動性を提供すると決定しました。今のところミンスキーモーメント(カネ余り時に生じた債務膨張や過剰投資の反動として、資産価格の急落や流動性の急低下などが始まるポイント)を、回避する動きになっていると思いますが。 また何か露見すれば月足でボリンジャーバンドの−3σを大きく割る可能性も。この水準まで来るとすれば、コロナショック以来の大暴落になります。 そこまでには至らないと思いますが、日足の下値抵抗線を大きく割った今、月足のボリンジャーバンド−3σに近づきつつあるのは事実です。 なので下げ止まるだろうと押し目買いするには時期尚早だと思います。テクニカルで下げ止まらない中で、ファンダメンタルズで悪材料があれば痛手になりますから。 米国債務上限問題や今回のCSのように普通社債以下の格付けの劣後債など、債券市場が混乱する懸念は随時確認する必要があります。そしてFOMCでの25bpの利上げも加味すると地合いはまだ円安ですが、日本のリスク資産はシクリカルバリューとの位置づけから買われる展開は期待できないということです。 日本株のオプション手口を見るとコールはまだ厚いですが、不動産はその国のリス...