金ETF残高は最高水準に
インフレが加味された金の上昇。そして株式市場の不安定さと、拭えない行先の不透明感。無国籍通貨の側面を持つ金が、世界で資金の逃避先に選好されています。利上げで上値を抑えられるので利下げ時のパフォーマンス期待へ向けて積み立て。
金は有事後、先物価格が2000を越えた時、ドルベースでの利確が相次いだ局面でも、ユーロや円ベースでは買い伸びる傾向がありました。重量ベースで保有量が減っても評価額を積み上げています。1900を割ると買い圧力で下値が支えられている状態でした。5月からは一段下がって1800ドル代で推移し、1800を割ると買いが入っています。利上げが進むに連れて1700ドル代と上値を押される展開が続いています。短期はガクッと下げたところを拾って吹いたら売るくらいかなぁ。
米株が不安定な時は金が強いという傾向は、ここ20年ほど法則と呼べるほど成り立っているそう。日銀など世界の中央銀行も、外貨準備に金を多く保有しています。2022年9月時点で世界の中銀が金を積み増してると専門家も言われてました、売買価格も安定していて、いざと言う時に換金し易く、為替より流動性が高いそう。未だに金本位制を取り入れる国があったら、金の価値が上がるなんて発信を見かけますが。昔と今とでは通貨供給量が違います。ペストみたいな規模で人口が削減されたら可能かもしれないけれど。
さて、私はファインゴールドをメインに2月半ばから積み立てしています。目論見書も読み易く、理解し易いこと。そして先物価格との相関も緩やかで評価額に安定感があると感じます。デリバティブ的な要因で上がるのではなく、実際の買いニーズが反映されていると感じます。株式市場は荒れているので強い需要があり、リスク資産との分散投資に金の比重を増やす人も増えているのだとか。
今は、世界共通の通貨としてドル一強ですが、いづれドル安円高に振れる局面は来ると思います。(指値オペを辞める頃、またQEに転じる頃)そしてゴールドをまた上昇させる要因になると感じます。また金の価値を通貨として考えた時、ドルの通貨供給量との差異が金価格を押し上げる可能性があると思うのです。貴金属は露の生産分は流通しなくなっていますから。【円安は日本銀行とFRBのお墨付き→ 円安と指値オペ】
それに加え世界株式、金、米国FF金利の推移については、関連性が高く興味深いところです。本格調整→金融緩和→調整→金融引き締め(今ここ)→ピーク→本格調整(文頭に戻る)とサイクルがあります。
本格調整があって金利が下がりきった後が株式の買場。(コロナ時の金融緩和の初期段階からが買場でした)利上げが始まり業績相場(金融引き締め時期)の後期にピークを付けた頃が株式の売り時。
金は利上げ前後で底を打ち、株式の本格調整に向けて上昇し、金融相場の局面で株の上昇に勢いがついて来た頃にピークをうつ。本格調整に伴い上がっていくけれど、世界の株式が順調にしっかりと上がり続けて来たところで売りタイミングを迎えるそう。よって利上げ前後が金の買い時ですから。利下げやQEによって金融相場に移り、株式市場に勢いがつく頃が売りであると認識しています。
金はインフレに反応し易く、また反応する要因が複数あると感じます。(仮想通貨暴落時の資金逃避先にも。)本格調整局面で利下げに反応するのは、実質金利の低下に金も反応するとの見解もあります。
世界株式はコロナによる金融相場が終わり、今は利上げ開始前後の調整局面に変わりました。今まで通りならば、今後業績相場の後には本格調整が待ち受けているというシナリオです。過去2~30年を振り返って見ると、金のエントリーポイントは利上げ前後の局面でした。まさに今が、金を組み込んだポートフォリオへ資産配分を見直すタイミングにあると感じます。
そしてFRBの執行部の多数派が共和党から民主党(バイデン氏所属)へ代わり、地球環境問題や貧富の差是正を注視する理事や副議長が増えてくるタイミングでもあります。インフレを沈静化させるためにリセッションを招くリスクがありながらも(特に欧州)、金融引き締めに動く必要があります。(インフレは低所得者をより苦しめる為、タカ派色が強まる)その場合、業績相場が過去と比べて短くなる可能性があり、状況に応じ本格調整を視野に入れたポートフォリオの見直しをしました。
金もここ20年、上昇傾向にあります。ただ金は金利を産まないのと金庫内での保管コストもかかる為、利上げ時(FOMCで)は一旦売られる傾向があります。多少値が上下しつつも、4月の金のパフォーマンスに期待を持てると思います。公的機関の保有量(中央銀行が市場に出回っている現物の金を買いが受給を締めている)を加味し、そして中央銀行は金価格が上がっても基本は売らない為、下値を支えている状況です。下がったら買い増したいところです。
主要資産との分散効果の高い金としての、リスク低減効果について。ピクテ塚本氏の世界株式5:5金にした投資評価額の推移がとても勉強になりました。 【利上げとインフレ時にプラスの運用益→世界公益株とグリーンシフト】
参考元↓
塚本卓治氏ピクテゴールド
